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   この展覧会のチラシに目を奪われてやってきた。文学館での無料展示だったのではじめはあまり期待をしていなかった。しかし・・・まったくの期待はずれ。そう私はおおいに満足した。

   全体的の印象は、文字の持つ意味の深さがタイポグラフィーを通じて、何倍ものエネルギーを秘めたり、何十にも意味が重なったりする。文字だから意味が限定されていると思いきや、それはタイポグラフィーという魔法を通して、絵画以上に大胆に、イラスト以上にカラフルに人に訴えるのだと、目から鱗が落ちる連続だった。ポスターあり、本のデザインあり、パズルあり、ゲームあり。すべてが文字とタイポグラフィーで構成されている。

   言葉がこんなにも右脳を刺激してくれるとは思わなかった。意味の多重、形体の自由、機知の充満。文字の中はいくつもの言葉の宇宙を内包する。いや、それどころか、ブラックホールまで潜んでいるに違いない。恐ろしく深みがあった。

   まずは、漢字のパラレルワールドとでも呼ぼうか。日本を応援するポスターに、重ねられた「勝」「優勝」「連覇」の文字。無駄がないというか、日本が勝つことが運命付けられているような思いまで感じる漢字の表現の妙。
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   漢字とカタカナの美しかなコラボレーション。「高輪ゲートウェイ」「虎ノ門ヒルズ」「南町田グランべりーパーク」「池袋ウェストゲートパーク」など、ぱっと見漢字しか読めないところに、カタカタがその形にはま込んでいる。
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    漢字はイラストだった、と思わせるような数々のタイトル文字。まさにそれをどう表現するかは、デザイナーの腕次第、美的センス次第といえる。その題字が表すのは当然ながらビジュアル的にそのタイトルの物語の雰囲気を醸し出す。題字を眺めるだけで、いろんなことを想像してしまう楽しみがある。
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   これが壁一面に描かれている。ひらがながこのように書かれているとすぐには意味がわからない。文字をひとつずつ読んでいくと、続いている文字がどこか繋がっているのがわかる。「わ・が・は・い・ね・こ・で・あ・る・・・」と読んで「あの物語」の冒頭だと気づいた。それが連なっている。洒落た遊びである。 

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これなどは、ぱっとみて「令和」とした読めなかったが、よく見てみるとなんとカタカナで、「ヘイセイオツカレ」と。こんな風に言い表すことができるのは凄いを通り越して、かみがかっていると大げさだけど感じてします。

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   他にも、風景の写真が並んでいる中に、何の文字が読めるかと問いかけがあった。眺めながら考えみたが、ぜんぜん文字を見つけられなかったが、「いろはにほへと・・」と解答されてはじめて、写真の中にある文字を解読することができた。また、靴を脱いで上がり込んで遊べるスペースがあり、いろんな文字を組み合わせるゲームがあったりした。
  圧巻だったのは「年がら年寿」呼ばれるものだった。目の前にポスターとしてはりだしてあり、自分の年齢に見合う「〇〇寿」を見つけることができる。わたしは還暦なので「交寿」だった。なぜ「交」なのかと言えば、文字をよく見ると「交」とは「六十」という文字の変形だからだ。ゼロ歳から百十九歳まで準備されていて、ダジャレあり、英語読みあり、まさに一文字ずつ、勝手気ままに一言の漢字にされているのをみて「ここまでやるか!」とすごい熱情をわたしは感じてしまった。それが判子にもなっていて、自分の年齢のものをスタンプしてお土産になるというのもちょっと嬉しい演出だ。
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  展示されているものが単に面白いだけでなく、それを考え出したデザイナーの人たちの文字やタイポグラフィーに傾けている思いが徹底していることに感動した。遊び心が満載に思えるポスターにしろ、ゲームにしろ、とことん追い求めていくという探究心があってこそ形になっているのだと思い知らされた。そしてわたしは全体を通して、どんなことでも徹底的に追求することが大切なのですよ、と言われたように感じた。それぐらいに、半端なく追求した結果が、ダジャレ的に見えるデザインだったり、笑ってしまうアートだったりするのだ。

  文字はすごい。タイポグラフィーは深い。やはり、はじめに言葉ありきである。圧倒された大日本タイポ組合展だった。
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 思わず興奮しておどけてしまった! 

 60歳になったわたしが昨年から某美大の通信制となり、大学2年をしている。仕事の合間に課題をこなしていくのは楽しいけれど、それはつらいところもある。その成果や過程をすこしでも綴っていけば何かの記録になるだろうし、わたしのゆっくり進んでいく学業ノートにもなるだろうとブログをはじめる。
といっても、気負わず、ゆっくり気が向いた時に書き加えていくつもりではじめていく。これまでいつもはじめるときに気合が入るのだけれど、すぐに息が上がってしまうからだ。そんな学校の勉強のノートとらくがきがこのブログなのだ。 

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